能楽師の勝海登(かつみ・のぼる)氏による能の公演

10月17日、能楽師の勝海登(かつみ・のぼる)氏による能の公演が、ナボイ劇場で行われました。勝海氏は、これまでにもヨーロッパをはじめ、中央アジアでもカザフスタン、キルギスで公演をされるなど、海外での豊富な経験をお持ちですが、ウズベキスタンでは今回が初の公演でした。

演目は「羽衣」「ナボイの祈り」「土蜘蛛」の3つ。1曲目、2曲目は、バイオリンやピアノなどの洋楽器も取り入れた特別に作られた曲に合わせて、舞が披露されました。特に2曲目の「ナボイの祈り」は、ウズベキスタンでの公演のために作られたもので、第二次大戦後の旧ソ連領内で、ナボイ劇場の建設をはじめ、祖国への帰還を切望しながら数々の労働に従事していた抑留者たちの悲哀を表現した演目でした。また、3曲目の「土蜘蛛」では、曲の最後に蜘蛛の糸を模したテープが舞台から観客席に向けて投げられ、この意外な演出に、投げられた「糸」がかかった前方の観客たちは、一様に笑顔を見せていました。劇場を埋め尽くした満員の観客は、室町時代から600年以上も続くこの日本の伝統芸能を堪能した様子でした。

 

翌18日には、在ウズベキスタン日本国大使館とUJCの共催で、勝海氏に講演会を行っていただきました。前日の公演の内容や、能の歴史や概要などについてのお話は、とても興味深いものでした。実際に能面を参加者につけてもらい、その面を通して見える世界を体験していただくなど、趣向を凝らした話の展開に、参加者たちは興味津々の様子で聞き入っていました。質疑応答の時間になると、次から次へと様々な質問があり、時間が足りないほどで、参加者の能に対する関心の高さが窺えました。

 

なお、公演の前日の16日には、勝海氏がUJCにお越しになりました。海外で日本文化や伝統芸能を紹介していくためには、UJCのような機関が重要だと激励してくださった勝海氏。今回の公演の演目は3つでしたが、能には非常に多くの曲があるため、講演会では、「能は1度見ただけでは、理解するのはなかなか難しい」というお話をされていましたので、またいつかご来訪していただけることをお待ちしています。

 

 

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